美意識は受け継いでいくもの。パリで出会ったちびっ子とお母さん。

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もう20年以上前のことになります。パリに行った時のこと。

とある高級デパートのアクセサリー売り場を堪能していました。どれもこれも魅力的で美しく、目が眩むセレクション。

特にヘアアクセサリーのコーナーは当時の日本の品揃えとは比較にならない充実さで、

「何か自分にピッタリの物を手に入れたい!」と意気込んではみたのですが。

 

選べない!

選べないのです!

 

あまりの選択肢に圧倒され、そしてどれも魅力的で選択できない。

 

 

こんなに沢山の中から、どうやって決めればいいんだろう。

どれだっていい気がする。どれだってステキだもの。

 

 

決められずにぐるぐると売り場を彷徨う私でしたが、そこでフランス人の親子が会話しているのを目にしました。

 

「こっちとこっち、どちらが似合うと思う?」

「どっちの色がいいかな?」

 

 

そこに居たのは小さな女の子。そして彼女の目の高さにしゃがんだマダム。

女の子は手鏡を持ち、自分の顔を鏡に映しています。

 

女の子の髪は耳元で小さな飾りのついたヘアピンで左右とめられています。

でも色は色違い。

 

女の子は大人の女性のような仕草で、右顔、左顔、と鏡に自分を映してじっと自分を見つめています。

 

え、こんな小さな子に!?

どちらが似合うか決めさせるの?

 

ポイントは、手にとってヘアピンを見て決めるのではなく、実際自分の顔に当てて判断させているところ。

 

こんなに小さな頃から何が自分を素敵に見せるか考えるんだ。

 

そのデパートは高級なものを取り扱っていたので、ヘアピンといえども子供用の値段ではありません。

でも私が見てもうっとりするような質の良いものを与える、そして買うからには時間をかけて吟味して選ぶ。

 

そんな小さな積み重ねを小さな頃からしていたなら。

 

どんな女性になるかは想像がつきますね。

 

至極簡単そうに見えて、自分を確立するということは非常に時間のかかることなのだと思います。

流行や新しさに振り回されず、自分で見つけていくもの。

 

 

美意識を育てる。

 

 

それは女性にとっては思う以上に大事なことでしょう。

そして初めは教えられ導かれていくものでもあります。

 

残念ながらそういうものは教えてもらえなかった、そういう人の方が多いのかもしれません。

けれども、大人になってからも美意識を育てようと自分で思うことは可能です。

 

本物を目にする機会を増やす、美しいものを沢山みる。

世の中の素敵な先輩たちの声を聞く、教えてもらったことを試してみる。

トライアンドエラーの長い時間を要するものですが、挑戦する価値はあるはず。

 

まずは美意識を育てよう、センスを磨こうという心を持つところから。

簡単には手に入りません、だから時間をかけて育てていく。

 

そしてその苦労して手に入れたものは誰かに受け継がれていくものでもあり、きっと周りの人にプレゼントのように与えていけるものでもあると思うのです。

 

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