旅先でジュエリーを買う。記憶を閉じ込めるための小さな物たち

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みなさま、こんにちは。

今日は東京は冷たい雨。今年一番の寒さらしく、なんと薄手のダウンで外出しました。

 

 

みなさまはどんな時にジュエリーを購入されますか?

気に入ったものと出会った時はいつでも!という方がもちろん沢山いらっしゃると思いますが、他にどんな理由があって購入されますか?

 

仕事で結果が出せた時とか、何か頑張ってやり切った時とか、自分にプレゼントしてあげたい時などでもありますよね。

 

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リングでもピアスでも、 何かその時の気持ちを覚えていられるようなもの。

 

女性が恋人からジュエリーを貰って嬉しいのは、その時の彼の気持ち、もしくは二人の気持ちが籠っている気がするからなのかもしれません。

 

それを見るたび二人の時間を思い出すことができて幸せな気持ちになる。

 

それは友達からでも、家族からでも同じで、他のプレゼントとは種類の違う喜びをジュエリーはもたらしてくれるような気がします。

 

 

そんなジュエリーですが、私は旅先(特に外国)では必ず何か特別と思えるものを手に入れるようにしています。

気に入った街の気に入ったお店で手に入れたら、帰国を待たずすぐに使い始めます。

一緒に旅を続ける感じです。

 

そうすると旅の写真にも残ることになるし、ただその国で買ってきた、ということではなくて、その旅した時の臨場感や空気感みたいなものがそのジュエリーに閉じ込められるような気がするのです。

 

私の一番大切にしているピンクトルマリンのパヴェリングは、20代初めにパリのヴィンテージジュエリーのお店で購入したもの。

一目惚れでしたが、お店が入りにくさ満点の重厚な雰囲気で、ありったけの勇気を振り絞って入店したのを今でもありありと思い出します。

 

購入したはいいけれど、その華やかな美しさは当時の自分ではまだつけこなせないような気がして何年も何年も眠らせておき。

年齢を重ねるにつれ、時折つけられるようになり、ある時からなんの躊躇もなく毎日つけられるようになりました。

 

いつ身につけても、夢がいっぱいだった当時の自分に引き戻してくれる特別なリングです。

 

ジュエリーは年齢や流行から比較的自由ですので、若い頃買ったものを、10年、20年使い続けてもいい。

リングは特に重ねてつけられますから、恋人との記念日の度に細いリングをプレゼントしてもらって、少しづつ増えるそれを楽しみにする、なんてこともできますよね。

両手に想い出を語るものがあるのはロマンチック、やっぱり^^

 

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気がつけば時は流れるし、自分自身も変わっていきます。

夢や好奇心が溢れたまま歳をとることは簡単なことではないし、恋人や夫に対してのロマンチックな感情も水を与えなければ薄れていくのが自然なことかもしれません。

 

でも、その瞬間の空気を内側に保ってくれるジュエリーは、忘れたくないものをいつでも思い出せてくれる。

身につけられるタイムカプセルと、私は密かに思っています。

 

みなさまにも大切なジュエリーはありますか。

雨の日はそんなジュエリーを磨きながら想い出に浸ってみるのもいいですよね。

 

 

それではまた。

素敵な週末をお過ごしください。

 

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All Photos from unsplash

良い席に案内されるかも。一流の場所での帽子がもたらす大きなメリット

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みなさま、こんにちは。

今日は帽子屋による帽子のお話です。

 

みなさまは普段帽子をかぶられますか?

 

東京で街ゆく人を眺めると、かぶっている人は基本的には多くはないように感じます。

夏や冬には実用のために手にする方が増えますが、デザイン的にはカジュアルな路線が多く、お洒落なタイプの物をドレスアップとして身につけている方は少ないような。

 

ファッションは限りなく実用的でカジュアルであればいい、ドレスアップは時代にそぐわないというような価値観もあるのかも知れませんね。

 

そんな方々にもちょっぴりお知らせしておきたい帽子の効用のお話です。

 

周りがラフな格好が主流だとドレスアップは気恥ずかしいと気持ちは往々にしてある事でしょう。

ですがドレスアップが必要な場所、ドレスアップをすることが利点となる場所というものがあります。

 

例えば高級ホテルやブランドのブティックなど、ドレスコードが必要ではないけれど、豪華な建物や内装であり、そこに集まる方々がきちんとした装いを選びやすい場所。

(ここでは結婚式やフォーマルパーティーといった平服では行けないイベントなどは除きます。)

 

つまり一流であっても基本的に自由な服装で訪れて構わない場所です。

 

ホテルにチェックインしたり、カフェやレストランの利用、ブティックなどでのマンツーマンで対応される買い物時など、誰かに丁重な接客をされるといった状況ですね。

 

そう、もちろんカジュアルでも構いません。普段着でも構いません。

 

でも悲しいことに、こういう場所にあまりにラフなファッションで行くと丁寧ではない対応をされることもあるのです。

経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

特に欧米では経験的にその辺が顕著な気がします。

レストランで末席に案内されてしまったり、ホテルの部屋があまり条件の良くない場所だったなどという話も度々聞きます。

特に現地の言葉や英語が苦手な場合、場の雰囲気に負けずに堂々と振る舞うのはなかなか難しく、それがまたその場に相応しくないように見えがちですよね。

 

そんな時は...

 

良質な帽子をかぶっていきましょう!

 

女性だったらちょっぴりブリムの広いものや色の美しいもの、男性だったら中折れタイプ。

ポイントはシック、エレガントに見えること。

 

その帽子プラスきちんとした靴で、着こなしに格が出ます。

 

その格が必要な場所では、それを持っていることからこそ丁重に扱われるということになるのです。

 

帽子専門店をしていた折、お客様から本当によく頂いたご感想は「あの帽子をかぶっているとものすごく良い対応をしてもらえるのよ〜」というもの。

 

お嬢様がアメリカ在住のため度々訪米されるという60代のお客様が、大きなつば広の帽子に初めて挑戦してみたところ、「ホテルやレストランでいつもと全く違う対応をしてもらえたの!」とお知らせしてくださったことがあります。

 

帽子は顔のすぐ側ですから、話をする機会があればしっかりと目に入ります。

同時に帽子のシルエットは遠目でも目につきやすく、レストランやブティックでの入り口の、あの「いらっしゃいませ」と遠くから声をかけていただく瞬間に目にされます。

 

接客のプロの方々は瞬時にお客様をチェックしますから、その一瞬に強い帽子はかなりの力を発揮するのです。

 

帽子は目立つから苦手...。

 

という声は本当に多く聞きましたので、もちろんわかります。

でも目立つからこそ逆にそれを利点として使える場合もあるのです。

 

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「そういう帽子を持ってない...。」という方は、伝統ある老舗の帽子屋さんや帽子専門店にご相談されるといいかと思います。

 

そのようなお店にはしっかり見立ててくださる販売員さんがいらっしゃいます。

そちらで相談して、自分が快適でいられるけれどいつもよりワンランクアップして見えるものを手に入れてみてはいかがでしょうか。

 

ちょっと実験気分で試してみるのも楽しいです^^

 

残念なことですが人は外観だけで判断されることもある。

そういう場において、怯むことなく自信を持って臨めるようになるのもお洒落の力なのです。

 

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京都の骨董市で宝探し。ずっと続いてほしい、古いものを大切にする文化

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みなさま、こんにちは。

今日は京都のお気に入りスポットのご紹介です。

 

京都に数年間住んでいましたが、その間一番夢中になったのは蚤の市に行くこと。

フランスにいた時もせっせと蚤の市に通いましたが、その理由といえば「どんな物に出会うかわからないその面白さ」に尽きます。

まぁ、上等な古いが好きならば骨董屋さんにいけばいいのですよね。

セレクトされた状態の良いものが見つかります。

でもお値段は結構するし、その店主さんのカラーがはっきりしているので合わない時は合わない。

 

しかしながら蚤の市は思いもよらない出会いがあることがある。

目が利く人がいけばお宝発見ということもあります。

 

私は自分が気に入るかだけでお買い物をするので、希少性などはあまり気にしません。

でも自分が「コレ!!!」というものと巡り合うこともそうそうはないのです。

だからこそのワクワクがあります。

 

さてさて。

 

京都ではあちこちで小さな蚤の市は開かれていますが、メジャーな場所はふたつ。

 

毎月21日に東寺で開かれている弘法さんと、毎月25日に北野天満宮で開かれている天神さんです。

そしてもう一つ、同じく東寺で毎月第一日曜日に開催されているガラクタ市。

 

私が好きなのはガラクタ市。

規模は弘法さんより小さめですが、うぶ出しの骨董屋や古道具が並びます。同時にただの使い古しのジャンクものもかなり出るのでいいものばかりではありません。

 

ですが初めてこのガラクタ市に行った時の興奮といったら!

東京のセレクトショップなどでうやうやしく置いてある昭和の小皿なんて「もう価値ないわ」みたいな感じで山積みにされているし、レトロなガラスの食器もびっくりする値段で売っています。(東京からバイヤーさんがくるそう。)

 

「こ、こんな世界が・・・。」

 

飛び跳ねるような気持ちでお店を隈なく見たのはいうまでもありません。

でも...。

悲しいことに和のものに目が利かない。

単なる現代のものの使い古しや安物も混ざっているのですが、どれがどれだかわからないのです。

 

お値段もついてないものが多いし、店主のおじちゃん達はなんだか怖そうだし、質問ができる雰囲気ではない。

 

なので初回は何も買えず。

見ただけで満足して帰宅したのを覚えています。

 

その後、毎月第一日曜日には早起きして市へ突入。

 

とにかく見る。

 

お値段がしっかりついているお店(割と高級なところは全部にシールが貼られています)のものをしっかり見る。

とにもかくにも見ることを重ねたところ、だんだん違いがわかってくるようになりました。

 

同じようなものが沢山出ているのはあまり価値がなかったり、「あ、これいいな」と思ったものが一周して戻ってくると忽然と売れていたり。

 

毎月通っているとおじちゃんと顔馴染みになって色々教えてもらえるようになったり。

 

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掘り出し物も少しずつ見つけられるようになりました。

 

ある時は金沢から来られているお店で古い浮世絵のプリントセットを発見。

一つの冊子に8枚入っているもので、おじちゃんに値段を聞いたら嘘のような金額。

1920年代に印刷と記載されており、蔵に長い間保管されていたものだそう。

絵柄が全部異なっていたので「3セットください ! ! 」と買い占め。

 

そこにおじちゃんの奥さんのおばちゃんがやってきて「あんた、これいくらにしたの ?」

おじちゃんが値段を告げると「!!!そんな値段ダメでしょ!!!」

 

おじちゃん困っておりましたが、私には「いいんだよ〜」と笑顔。

そして、そのプリントは長い間蔵にあったけれど大切にされていたこと、蚤の市の前日に引き取ってきたばかりだということなど、お品の出どころやエピソードも色々と教えてくれました。

 

長い間眠っていたその絵はこうして私の元へ。

今では額縁に入れられ和室の壁を彩ってくれています。

そして数十枚の内の何枚かは外国へ。

 

そんな風に、色々な価値ある(その人にとって)物が、捨てられたりするのではなく次の人に手渡されていくといいなぁと思うのです。

 

使い捨て文化は何も生まない。

長く愛されるような物が残っていってほしいし、そのような物を作る人たちが豊かに生きていける世界であってほしい。

 

私たちが見る目を磨けば自ずと本物だけが残っていくでしょう。

古いけれどまだ魅力を放つ物たちの後ろには、それらを懸命に作られた方達がいます。

その方たちとも出会う事ができる。

それも物を手に入れる喜びの一つだと思うのです。

 

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写真1 東寺 それ以外は北野天満宮

北野天満宮では美味しいお野菜や古い着物などがおすすめ。